人物画/水彩画/油彩画/画集など,自作品
目に映る風景や静物は断片的だけど、おそらく深い所では繋がっているという隠された記憶が絵において働き、それを線と色で実現しようと模索しているのではないかと思う。絵を描きながらその時々に湧き上がる感情や判断は自分でも分からない所からやってくるとしか言いようがない。
人物画
人物画はある意味で絵の要だと思う。人物を描くことで得られる対象物を深く感じて把握する感覚はそのまま静物画にも風景画にも通じる。目に見えるものをよく感じとって、その感覚を視覚に捕らわれずに出来るだけ直截に線と色表現すること、そこに表現の面白さがある。
水彩画
水彩画は水の持つ流動性がこの絵の要で、色が水によって拡がったり、動いて隣の色と混ざり合ったりする自由さと面白さは他の画材では得られない。それだけにデッサン的な線で縛ろうとするとどうもぎこちなく映る。かと言って色の調和だけですべてを繋げるのはとても難しい。結局、両者の間を行ったり来たりしてその絵に相応しい均衡を求めることになる。
油彩画
油彩画の持つマチエールの美しさは水彩画にはないものがある。感じたものを色と線で表出するという意味では画材は関係ないけど、出来た絵は自ずと違った趣になるのが面白い。水彩がある意味ドライな画材であるのに対して油彩はウエットな趣があり、感情のひだが感じられる。